【 犬・猫 】
成長しても精巣が陰嚢に降りてこない
犬の停留精巣(潜在精巣・陰睾)
雄の生殖器官である精巣は腹腔内で左右に2つ発生し、鼠径輪(足の付け根の穴)から腹腔外に出て皮下を通り陰嚢内に降りてきます。
精巣の下降は出生後およそ1か月から4か月で完了します。6か月齢になっても精巣が腹腔内や鼠径部(足の付け根)の皮下にとどまっている状態を停留精巣(潜在精巣・陰睾)とよびます。
停留精巣になると以下のような問題が起こることがあります。
・精巣が常に高温の状態になるため精子の形成が障害されます。
・精巣腫瘍の発生率が高まります。
精巣腫瘍はセルトリ細胞腫、精上皮腫(セミノーマ)、間質細胞腫などがあります。これらは時に転移したり、腫瘍から過剰に分泌されるエストロゲンというホルモンによって皮膚や被毛の代謝異常、雌化、骨髄抑制による血球減少症などをひきおこし命にかかわることもあります。
・精巣が正常な位置にないため、去勢手術の際に通常の手技では摘出できません。
診断はまず、正常な位置に精巣がないことからこの疾患を疑います。
続いて、触診と超音波検査で精巣が皮下にあるのか、腹腔内にあるのか確認します。

治療は手術による摘出になります。
精巣が皮下にある場合は、皮膚切開をおこなって摘出します。
腹腔内にある場合は、当院では腹腔鏡を使って最小限の傷で摘出しています。



何らかの理由で腹腔鏡で摘出できない場合は開腹に切り替えることもあります。
猫の停留精巣(潜在精巣・陰睾)
診断・治療は犬と同様の流れで実施しています。



犬猫ともに停留している精巣がどこにあるかで、手術アプローチが大きく変わるため、手術前の診断がとても重要です。
また、腹腔鏡による摘出は、従来の開腹に比べて非常に侵襲が少なく、メリットが大きいと思います。
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